恐怖の泉

都市伝説の怖い話「口裂け女」

学校が終わり、もう陽は傾きかけている。
家が近く、仲良し3人組のA君・B君・C君は、いつもの道を話しながら歩いて帰っていた。
すると夕焼けに照らされ、人通りの少なくなった道の向こうから1人の女性が歩いてくる。

「なぁ…。」
「うん…。」

3人の間に緊張がはしる。
一見するとその女性は髪の長い綺麗なお姉さん、という感じなのだが、真っ赤なロングコートを着て大きなマスクをしていた。
今の季節は真夏だ。そんな恰好をしているなんて、誰から見ても異常なのは明らかだった。

3人と女の距離が次第に近づいてくる。
なるべく目を合わせないようにしてすれ違おうとした…その時。

「私、キレイ?」

ビクッとして3人は女の方を見た。
女は立ち止まり、3人の方を向いていた。
絶対にヤバい!と思いつつ、いつでも逃げ出せる姿勢を取りながら、A君は答えた。

「は…はい、とてもキレイです…。」

すると女は

「ありがとう…。じゃあ…これでも…?」

と言って大きなマスクを取った。

「うわぁぁ―――っっ!!」

3人は悲鳴を上げて一目散に駆け出した。
マスクの下にあった女の口は、耳まで大きく裂けていたのだ。


最近ではめっきり噂を聞かなくなった「口裂け女」は、1979年頃広まり社会現象にまでなった都市伝説です。
口裂け女には様々な噂や憶測・派生話も生まれ、妖怪じみた能力を持っていたり、ポマードが嫌いだったりとキャラが立っている点でも、人気?の高さがうかがえます。

怪談や怖い話というのは元来、戒めや警告といった意味を持つものが多いと思います。
口裂け女も、子供は日が暮れてからは出歩かない、という非行防止の意味合いの込められた都市伝説なのかもしれません。

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マスクを外して、大きく裂けた口があらわになった口裂け女。

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